欲を捨てれば真実が見える??

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今回は、指定ルール事業者視点を一切外して九電さんのメール&情報を確認していきます。

お返事はこちら

九州電力出力制御ー九電さんからお返事きました。

九電さんの示すロジックはこう

1.火力等の電源を最大限抑制した上で供給力を予測する。

2.九州地区のエリア需要を予測する。

3.大容量蓄電池、揚水発電の最大値を加味する。

4.域外送電の最大値を加味する。

(1-2-3-4)が抑制値になる。

まずは、でんき予報のデータをEXCELに転記して簡易的に可視化します。

1.供給力(予定-実績)

全体の供給力は95%程度の精度、再エネの予測は70%程度の精度

太陽光の出力予測はちょっと上振れ想定で予測しているようです。

特筆すべきは、

天候任せのソーラーが大半を占める中全体での供給予実差を5%程度にまで調整できる九電おそるべし。さすが最先端の技術力っすね。

1.エリア需要(予定-実績)

3%程度の差がでる精度、マクロ的な予測精度はすごく高いですね。

供給は若干下目に予測している事が分かります。

2.大容量蓄電池・揚水発電の利用状況

予測と実績の差異が30%程ある。

結果論ですけど、調整力が7割ほどしか発揮できていないようです。

それなりの理由があるはずですが、そこまでは分かりません。

3.域外送電

241万kWを上限にほぼ条件を使って送電している。

ただし、週末は70%程度の使用率になっている。

ということは、受け側(中国電力)の底が見えてしまっている可能性があります。

4.制御(再エネ-オンライン:オフライン)

でんき予報を見ているとどうやら

4-1.前日段階でオンラインで対応できない分をオフラインに指示

4-2.オフライン指示分以外の部分をオンラインで分担

という順番で指示を出しているようです。

オフラインは30日ルールという考え方で「制御は30日まで無保証でかけます。」

というルールですので、「前日指示して結果抑制する必要がなかった」というのが最悪パターンですので、「ガチで抑制かかるのがほぼ確」の時に前日指示する仕組みになっているようですね。

今年は今までの結果から予測するとオフラインは制御する日が30日をほぼ超えると言う事で

制御方式が変更されています。

そのため「効率的に」ということで無駄なく制御ロジックが変更されているようです。

予実を見ると、ちゃんと抑制回避できた日は前日オフライン指示がされていないという

秀逸なところを見せています。

数値でみると抑制量が250万kWを超えるあたりから指定ルールの25%ぐらいずつオンライン制御がされていますね。

誤解を恐れずに書きますが、現段階でオンライン:オフライン抑制量比率は10:1となっているようです。

※「でんき予報」のオフライン確定量と再エネ制御量比を見ています。

俯瞰してみる限り、今年度オフライン制御が結果的に30日に達した場合ロジックとして

問題がなさそうである。

というのが現状の結論です。

推測される原因

そこで気になるのが、なんで指定ルールが昨年の10倍とかになりそうなの??

という疑問が残ります。

1.指定ルールに関しては今まで優遇され過ぎていた可能性

昨年までのルールで、旧ルールが一身に受けていた制御量を旧ルール事業者が

30日上限を超えることによって、溢れてきた部分を指定ルールが受けている。

前日指示のオフライン制御に対してオンライン制御は直前指示ができるため

抑制量を減らせるため抑制量は低減される仕組みとなっています。

記事末に動画リンクを記載しますが、特高・高圧事業者のお話だと

2019年実績はオフライン制御が10%弱、

オンライン制御が1-2%程度の制御量だったそうです。

オフライン制御で今年度溢れてくる10%弱程度インパクトがもともと1-2%だった事業者にかかってくるので、オンラインからみた昨年比は跳ね上がる可能性がある。

2.制御方式変更に伴う、一時的な負荷の可能性

オンライン制御が先発で、オフラインが控えとなっているといいますか、

4月前半はオフライン:オンライン=1:10となっているようです。

つまり、今はオンライン制御の制御割合が一時的に増えている時期の可能性があります。

この先抑制が最大になるGW付近にオフラインが投入された場合オンラインの抑制負荷は低減方向となるため、現状のごましお予測値11-13%が下振れするのではないか?

ということ

ちなみに動画の事業者さんは、2021年の指定ルールの制御量はこんな感じじゃね?

と予測されているようです。

2019年オンライン制御量 <この範囲 < 2019年オフライン制御量

1-2% < この範囲 < 10%

かなりおぼろげながら要因らしきものが見えてきた気がします。

こんな内容説明できるわけないし、調べないと分からんわ!!

これからなところ

今のところですが、

俯瞰的に見て明らかにおかしいところが見つからなかったので

「再エネ接続量が増えたらどんどん抑制量が急増する可能性がある」

という一番なって欲しくなかった結論が近づいてきました。

エリア需要が800万kWを下回ったあたりから急激に抑制が増えています。

一方供給は倍ほどあって九州丸ごとのエリア需要をなんとか九電さんは調整していると言う事になります。

途方もない事をやっているなという感覚ですね。

逆に、エリア需要800万に対して、原発+住宅用太陽光+出力制御対象外高単価太陽光

で一杯一杯なところ毎年太陽光激増してどうすんねん。

という送配電側の苦悩的なものが垣間見えますね。

あとは、浜崎さんも別のアプローチで調査頂いているのでそのあたりと合算して

ある程度の推論がまとまればと思います。

では

【九州電力の出力抑制が異常!】九州に1.5M所有の森米穀さんからの状況報告(124-1)

コメント

  1. yuki2822 より:

    さすがの分析力ですね!
    これまでの、オフライン制御とオンライン制御の特性の違いに
    着目出来れば気づけることですが、
    この短期間に、個の力で、たどり着けることがホント凄いです。
    でも近々、これ詰んでる感ありますね。
    需給はやはり無視できない最たる例になってますね。
    まさに、
    「エリア需要いっぱいのところに、さらに毎年太陽光激増してどうすんねん」
    だと思います。

  2. gomashio より:

    2018-2020の推移を見ていてそんなに大騒ぎになっていなかったので

    再エネ増分<調整力テクノロジー

    の図式が成り立っていると勝手に勘違いしてました。
    今回調べると
     ・実は高圧以上にかなり負担がかかっていて、低圧は優遇されまくりだった
     ・想像以上に調整力テクノロジーというか現場力が凄かった

    ということで「ぬるま湯」と呼ばれる環境を肌で感じる事が出来ました。

    対策は「有効な負荷づくり」ですかねー
    第2のエコキュートを作らないと(笑)