日経記事以来、業界や再エネ関連の意見がいろいろ出ていますね。
僕は以前農地転用許可について緩和してほしい旨の記事も書いていますし
そっち寄りの意見を持っていました(過去形)
そもそもこの話は単発ではなく一連の思惑があって進められている話だと思うのです。
それってどんなものだと思います?
記事の内容は
今回は日経の記事がベースです。
これによると「第一種農地の転用条件を緩和する方向で検討するよー」
ということみたいですね。
そこに(比較的大規模な)太陽光、風力発電所を作れるようにしたい。
という話のようです。
対象は何か
太陽光でいうと「住宅用」「低圧」は再エネ特措法上ほぼ関係なくなっています。
住宅用は住宅の電力使用分の余剰売電がベースですので、
住宅用太陽光をやる方便で家を建てるのは、方便の方が大きすぎます。
低圧もそうですね。負荷30%ありきの余剰売電ベースになります。
今後はnonFITって選択肢も出てくると思いますが、現段階でコストベースを
うまくできるのはごく一部の事業者の選択肢となるでしょう。
それより狭き門なのが、自治体などとタイアップして進める地域電源の低圧。
「低圧」という括りは、そもそもFIT下では進められなくなっています。
唯一残っているのは「シェアリング」ですね。
こうやって、FITという温室+必ず供給契約できちゃう特典が終わってしまっています。
50kW以上は?
低圧以外場合太陽光だと「特高」「高圧」となりますが、業界関係者が
血眼になって系統の空きがある土地を探し回って「ないねぇ」と嘆いている
そんな部分にちょっとだけ取り分があるのが関の山なのかなー。と思います。
そもそも系統空き容量がない!
(少なくとも電力会社がそう言っている。実際はどうか知らない(笑))
事前の接続相談を電力会社にしたところ「容量なし」の回答か
接続検討依頼後、〇億円の負担金回答で座礁する未来しかない。
ハードルの高さはさらに続く
FIT上限でもあり、経済的にバランスの取れそうな
出力250kW程度の高圧発電所を作ろうとしたら、
それこそ一部の耕作放棄地だけでなく、周辺農地も含めて農地転用しないとダメで
大人数の地主の合意をすべて取って開発をまとめるのはそれこそ難易度が高いと思います。
風力発電所についてもある程度の敷地は確保しないといけないので似たようなものかもですね。
農地の所有者はかなりバラバラで意見統一はものすごく難しい!
(1人で反対者が出たらだいたい大騒ぎになる)
僕も土地をちゃんと纏められなかった経験がありますが、ほぼ纏まっていても
1人の雲行きが怪しくなったとたん話しがなくなりました。
つまり、農地を意図的に荒らしてもそれが実際売れるかどうかは別問題・・・
その次に、関係法令関連の高いハードルがあり
さらにどこぞの自治体のように「課税」とか嫌がらせがくるケースもあり
どこまでもハードルが上がっていきます。
仮にすべての案件がハードルをクリアすると・・・
そしてそれらの課題を解決して発電所を作ったら
・お昼は抑制、市場価値は低減
・インバランスリスクを負え
・系統などの整備費用を負担しろ
再エネ普及時の次の問題が一気に襲い掛かってきます。
もちろん我々に!
電気余ってレッドオーシャン問題!
がかならず加速します。
そこで
「政府は、ガソリン車の新車販売を2030年代半ばに禁止する方向で調整に入った」
主目的は車のCO2排出削減なのでしょうが、EV推進により「蓄電池の更なるブレイクスルー」が加速し、「畜エネ高コスト問題」
が緩和したら未来明るくなってきますかね。
詳細はケースバイケース?今までといっしょやん?
えらく話が脱線しましたが、農地転用の件、「第一種農地」といっても
・自治体・農業委員会によって見解が大きく異なる(まるで別物)
・農業振興地域とか中山間地域とかいろいろありますが、一切言及ないけどどうなん?
ということで
法改正を検討するけど具体的には今は全然わからん
状態でして、この先見守るしかなさそうですね。
で、どうしろと
最後に、シェアリングまじめにやっている人が馬鹿を見るのでエセは自粛しろや!問題について
シェアリングの農業部分と太陽光部分
労力が10倍以上
稼ぎが1/10以下
不確実性が10倍以上
と、作物を作り上げる事はすごく尊いけど
太陽光部分が麻薬すぎますね。
というわけで、農業やりたい人も、
やりたくない人も同じようにソーラーできたらいいんじゃないでしょうか?
僕などは分けていただいた農地を農地転用して
日陰部分で作物栽培しようと考えています。
やりたい人は何としてもやるでしょうし、
やりたくない人は何としてでも掻い潜ろうとしますからね。
農業って
・ブランディングして高単価戦略をとるか
・超大量生産で低コストで利益を出すか
・農業従事に幸せ・価値を感じるか
かなって思います。
いずれにしても「国産の安く、安全で、おいしい農作物を食べたい」
と願うなら
第4の選択肢をさがしながら
自分もやるしかないかなーと思います。