前回検討してみた大体の予算について
第2回の今回で単価を2円下げるという荒業をやってみたいと思います。
(ちなみに、前回は途中から低圧前提となってしまっておりますが、
今回もその流れを引き継ぎ低圧前提で考えていきます。)
誰が利益を得ているのか?
スペックなどは、第1回をご参照ください。
1.投資家の取り分 \12,000,000
2.販売店の取り分 \6,000,000
3.パネル費用 \3,000,000
内訳ベスト3は上記となっております。
この中から\5,000,000円搾り上げれば
コスト削減すれば単価は\11.5となりますのでめでたしめでたしです。
投資家を斬る
「なんだ結局金持ちが得する仕組みなんじゃん!!」
ということで、1200万円の暴利をむさぼっている投資家の内訳をみていきましょう。
¥1,324,000 償却資産税
¥280,000 固定資産税
¥400,000 保険(延長)
¥1,920,000 メンテナンス
¥1,000,000 パワコン洗い替え
¥2,480,000 利息
¥1,782,000 電力基本料金
¥770,000 廃棄費用
というわけで、税金とメンテ、後出しジャンケン分を差し引くと残金200万円となります。
税務署「えっと、消費税を・・・単価14円で20年、280万円ですね。」
投資家「え?マイナス80万円ってどういうこと・・・」
経産省「IRR4%って世知辛いですよね(笑)」
はい。ここにはお金はありませんでした。
お金を残している投資家の人って、いろいろな制度を悪用して
日々努力して節税とか財テクをやった分でプラスにもっていっているんですね。すごい
販売店を斬る
「発電所右から左で600万とかボリすぎでしょ?」
販売店「誤解です。変なブロガーが勝手に分類してしまって迷惑しているんです」
販売店「監視装置、防草シートしないんですか?」
販売店「それとうちは中国製じゃなくて、ちゃんとした国産を使っています。」
販売店「それと土地なんですけど、今は新規で事業計画認定取れないので
権利買ってたりします。そしたら土地代+200万円オンぐらい当たり前なんです。」
販売店「あと、うちは施工保証を20年間つけています。そういった部分にも
お金かけているんですよ。」
販売店「そのあたり足したら原価率8割とかなってしまって、もうギリギリなんです。」
あれ?思ったより努力されているんですね。
そしたらお金はどこに・・・
下請けのボヤキ
下請けさん「えー?俺たち1案件で200も貰ってないよ?」
下請けさん「それどころかkWで1万なんかもらえないって・・・
納期も1週間でやれとか無茶苦茶行ってくるし」
下請けさん「追加の部材費ももらえない時ある・・・」
ごましお「え?知らんがな。」
ごましお「それは、御宅の大将か元請けの担当のあたりに
ブラックホールでもあるんじゃね?」
ごましお「個別具体的な話はほかでやってもらっていいっすか?」
冗談はさておき、現場では結構よく聞く話です。
それだけ販売店も苦しい状況になってきており、下請けは虐げられているようです。
下げられぬ2円をどうするか?
ベスト2まではとりつく島がありません。ベスト3のパネルは
\20/Wにしても下げても差額が100万円です。無理ゲーっすね。
それ以下のコストについては、変動の余地ありですが
触ったところで「誤差」です。
そりゃそうですよね。
資材コストが下がるからFIT単価も下げるということで、
今まではうまくいっていました。
まあ、それもFIT18円あたりまでの話。
FIT14円は、
「3年後の運転開始期限まで待って施工費用を下げた状態で施工している。」
だから3年後になるであろう施工単価でIRR4%となる単価にする。
という無理矢理理論で単価を14円にしました。
今は2021年ですから今検討している単価はかなり健闘している方だと思います。
2023年運転開始期限を迎える2020年度単価はは12円、(低圧は13円)
今年(2021年度)も無理くり下げてくる方向だと思います。
結構現場がついていけなくなっています。
さてどうしましょう。
対策案
本気で考えるとすると
1.発電所の寿命を20年から30-40年として収益計算をやり直す。
2.プレイヤーを減らして費用を下げる。
こんな感じでしょうか。
そういうわけで、
制度的に20年固定のFITから必死でFIPに移行する方向で進めてくるでしょう。
さすが国は頭いいですね。
それと、プレイヤーの中で誰が弾き飛ばされるか?
入札でトップを走っている人たちが何をしているか見るとなんとなくわかるかもですね。
・不動産屋
・銀行
・施工店
・下請け(Ⅰ-2次請け)
・マッチング業者
・ブローカ
・販売店
・投資家
ブロガーのグチ
グローバルスタンダードと言うけれど、
砂漠にパネル並べて大量発電できる国と比較した場合
我が国は、土地の取得プロセスが非常に煩雑で
近隣との同意形成や周辺の条例を含む環境法令も厳しい
対象となる安価の土地は報酬を取りにくく
不動産屋が嫌う分野になる。
農地法3条で50万で取引される土地が、
地上げしたら平気で500万とかになっているケースだってある。
それ以降のプロセスについても推して知るべしですよ。
「電安課の言う要塞みたいな発電所をこの価格で作るのはムリよ?」
賦課金を減らすのが主題となっている今のやり方では産業が潰れてしまう
原発のように〇〇を△△に潜ませて隠すみたいな
「もうちょっとうまいやり方考えてぇ」
「それと現実見たルールを作ってほしいっす。」