「解体等費用積み立て」で発生する発電事業者の損失を皮算用してみた

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「解体等費用積み立て」のパブリックコメントを書く前に考えてみた

この話についてです。

うちのシミュレーションでは発電所本体価格の5%を廃棄費用として算入しているので

「まーいいか」とタカを括っていたのですが

驚愕な結果が・・・

前提条件

FIT21円案件

年間発電量100,000kWh

スクリュー杭、アルミ架台、4段パネルアレイの一般的な構成を想定

FIT終了後20年間卒FITで発電事業を継続する場合

を計算します。

廃棄積立計算

0.99(円)×100,000(kWh)×10(年)=990,000(円)

この金額が塩漬けにされます。

運用したら

まあ達人には怒られるかもしれませんが、年利3%で積み立てしておいたと考えると

毎月8,250(円)を10年積み立て運用します。

税引き後 1,117,871(円)

これを20年間 年利3%(税引き前)で運用したら

税引き後 1,941,898(円)

いやああああああああああああああああああ!!!

正味の撤去費用

300W想定で340枚のパネルの撤去

パネル撤去      14人日

ケーブル分電盤撤去  2人日

架台・基礎撤去    3人日

シート撤去      1人日

20人日×20,000(円)=400,000(円)

重機使用・運送費    200,000(円)

パネル処分費      ??(円)

600,000(円)+α

かなりボッタかんじでこの値段。

パネル埋めるだけならこの値段でやってくれるところ絶対あるな。

20-40年後にならないと正確な値段は分からないですが、1,000,000(円)あったら

絶対に引く手あまたで処分できる可能性が高いですね。

中古としての価値

残念ながら防草シートは産業廃棄物ですが、中古としての価値がまだあったりします。

スクリュー杭

アルミ架台

ソーラーパネル

延長コード(はちょっと微妙)

分電盤

パワコン(ちょっと微妙)

監視装置(産廃)

フェンス(さすがに40年経過後は微妙産廃)

結論

経済産業省の考えは

「放置発電所を撤去する費用財源を発電事業者からのべっと徴収する」

という話なので、冗長な計算式で多額の徴収をする決定となっている。

それに対して、発電事業者からすると

「後出しジャンケンで自分の発電所の処分費以上の金を今取るの?」

と話が合うはずがない。

そもそも、源泉徴収分を積み立てした運用益だけで処分できる事が分かった。

それどころか、そのお金があれば40年発電事業する際のパワコンの洗い替えが1週できてしまう。

それなのに、なんでお前らの作った糞ルールに従って無駄金使わないといけないのか?

まともな運営を阻害しているのは国だと思う。少なくとも推進は口だけだ。

僕たちは日々電気を生み出している。未来もそうだ。

それなのになんでこんな理不尽がまかり通るのだろう。

これ、経済産業省のやっていること真面目に許せなくなってきた。

パブリックコメントはこちらです

経済産業省に発電事業者が率直な意見をすることにより

適正な未来を作りましょう。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620121005&Mode=0