「解体等費用積み立て」の使い方を考えてみた

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FIT10kW以上の場合、運転開始10年後から10年間、

発電量に応じて売電料金入金前に勝手に差し引く仕組みができます。

徴収されたお金はパネルを廃棄したら上限ありで戻します。

というのが「解体等費用積み立て」の概要です。

お金は下記の一番小さい金額分戻ってくるそうです。

・10年間の積立総額

・実際に積み立てた額

・廃棄にかかった額

今から9年後ぐらいからFIT初期の廃棄が始まります。

恐らくこういう業者さんが登場するかもしれませんね。

「FIT終了するあなたへ、100万円であなたのパネルを廃棄します。

 今キャンペーンをしておりまして、同じ容量のパネルをプレゼント

 (もしくは超お得な値段で施工します。)」

発電事業者としては、自らの利益がガンガン削られていたので

「それを取り返すにはどうしたらいいか?」と言う事を必死で考えます。

事業継続するにしても、一旦廃棄したテイにして新しいパネルで卒FITできるモデル(笑)

を叶えてくれるサービスですね。

使用済みパネルを海外を含め中古市場に投入するなどの選択肢もあったのですが、

売却益より積立金取り戻しの方が金額が高くなりますので、廃棄方向に市場の舵が切られるでしょう。

廃棄については、リサイクル<最終処分場へ埋めるの構図は変わらない可能性が高いです。

こういうルールになったら、せめて適正な場所に埋まって欲しいと希望するのみですね。

皮肉なものです、不適切な廃棄を減らすための制度によって無用な廃棄がどんどん増殖する未来。益々ソーラー悪者ですね。

環境破壊者の汚名まで甘受しないといけなくなるのでしょうか?

「金を戻してほしければ廃棄しろ」

というルールにしたら、そりゃそうなるでしょうよ。

直近の使い方

将来の使い方(あくまで妄想)については、この程度にしておいて

直近の使い方は、「近隣への説明道具」です。

発電所周辺の地主さんの多くはお年寄りです。

「国が撤去費用を差っ引いているので、(今後)何かあったらそのお金で対応できるようになっているんですよ。」

と放置、不法投棄はないですよ。説明すると安心してくれます。

地主さんとのお話や周辺住民説明会など開催しなければならなくなった場合は

このあたりのお話をすることで、財源の運用益分ぐらいのモトを取る方法があります。

このお話は、ベースの法律(エネルギー供給強靱化法)まで閣議決定されているので

今更ひっくり返せるだけのネタでもない限りは残念ながら決まってしまいます。

だったら、今から地主さんにそう説明しても嘘にはなりません。

パブリックコメントはこちらです

今更覆すのは難しいですが、こちらの意見をちゃんと言わないとドンドン圧力は強くなります。

経済産業省に発電事業者が率直な意見をすることにより

適正な未来を作りましょう。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620121005&Mode=0