九州で起こっている出力制御についての仮説

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本記事は下記資料「再生可能エネルギー出力制御の長期見通しについて」

からデータを抜粋した上での仮説です

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/keito_wg/pdf/045_01_00.pdf

結論としては一律制御へのルール変更時に起こった時と同じですが

気になる方はご一読ください

現時点での仮説

直近のお話です。年末年始あたりから九州電力管区の発電事業者さんから

「正月から出力制御」とか「なんか出力制御が多くない?」とかいうお話がどんどん出てきています。

2023年3月に至っては「なんじゃこりゃ」という声がかなり広がっています。

この件に関しては2022年12月から九州電力管区に経済的出力制御というルールが適用され

出力制御装置がついていない旧ルール発電所に代わってオンライン制御の発電所が出力制御を受け2か月後に精算することにより各発電所の負担を按分しようというルールになっています。

そのため、オンライン制御の発電所は通常の2倍程度の出力制御を受けているため一時的に

負担が急増したように見えているが2か月後に精算を受けた時にトータルするとダメージが半分程度になるのではないか?という仮説です。

根拠となる情報は、旧ルール・オフライン制御発電所の出力量と指定ルールオンライン制御発電所の出力量がほぼ同じであるということ(九州電力HPより)

12月の出力制御の代理制御の割合が4割強であったということ(発電事業者さんより)

いずれにせよ、2023年3月の精算は5月に行われるためそこで実績が出た段階である程度現状の混乱は収まるのではないか?という仮説です。

将来展望の仮説

委員会資料のデータを参照してグラフを作成しました。

今後どのように出力制御がおこわなれるかを予測したグラフです。

横軸に時間を縦軸に出力制御の年間割合を表しています。

2018年から2022年は公表されている制御実績値です。

青線は九州電力の予測を想定でグラフ化したもの

オレンジ色は公表されている制御実績を直線近似したもの

灰色は制御率5%を絶対割らない想定でグラフ化したもの

正直未来は誰にも分かりませんが、このグラフの線の中に実績が収まるのではないか?

という仮説です。

青色はごましおなんかと違い送配電のプロが予測した値ですから詳細は分かりませんが

理論とバックデータがあると思われ信頼性は高いかも

半面、「約束は絶対守る!」という旗のもと安全マージンをかなり潜ませておられる側面もあるでしょう

「つまりこれ以上はいかないんじゃない?」

という判断をしてもいいのではないかと考えています。

次にオレンジ色です。

電気の同時同量はこんな計算式になります

電力需要量=電力供給量ー電力調整量

分かりやすく書き直すと

出力制御量=電力供給量ー電力需要量ー電力調整量

という式になり「1次関数なんだから実績は直線だろ?」

ということに実績の延長線を引いたグラフになります。

九電さんから「今後接続量増やした分全部調整するのはマジシャンでも無理やで!」

と怒られるかもしれませんし

意識高い系の皆さんから「再エネ捨てるなんてありえないからなんとかしろ」

とおこられるかもしれません。ですが結構現実的なラインだと思っています。

最後に灰色のなぜか5%でクリップするという仮説

これはいつだったかの委員会で「制御率は5%以上にするってのはダメでしょ」

と電力さんが怒られてた記憶があって最新のテクノロジやらEVやら蓄電池やら調整やらなんやから感やらで新規接続容量分をどんどん調整していけた場合の仮説です。

いわゆるごましおを含め発電事業者の希望的観測の部分です。

当然調整するための基礎技術は既にできているものなので各種問題が解決次第投入される

事になると思うのですが具体的スケジュールや実施メドのようなものが不明なので

現状の仮説としてはちょっと弱いかなと思います。

物件評価について

本日、発電ムラの浜崎さんのspaceに参加させてもらいましてお話をしたところ

中古売買の評価という視点でお話をされていました。

「現在の九州電力管区の発電所は概ね2割引きぐらいで評価されているけど

 噂が先行しすぎていて過度に低く評価されているよね」

とのこと。

確かに公表数値からグラフを作りましたがオレンジ線の現状が制御率5%程度で直線近似の20年後が制御率19%程度となっているのでちょっと低いなという気もします。

いずれにせよ今売買するのは買い叩かれれちゃうというのはあるようですので

安易に手放すのは考えた方がよいと思います。

振れ幅による出力制御に対する見方

ネット時代の難しいところで1人1様状況が違います。それぞれの判断が必要だと思うのですね。

発電所の現場現場で経済的な状況も異なるでしょう

残債がないケース、初期組や自社施工など手残りが多いケースは売り上げが多少減ろうが関係ないですよね(しらんけど)

逆に年間の手残りがそんなになかったりすると赤字経営になってしまいます。

これが1人1様ということです。

そのため、発言している人自身では適切でも聞く人は同じとは限らないのがネット時代の難しいところです。

つまりご自身・御社の現場状況がどうか?ということを基準にご判断頂くことが肝要ですね。

今後の対策

太陽光発電所は1次コスト0でエネルギーを生み出すいわゆるキャッシュマシーンだと思います。

できたらホールドした方がいいとは思うので

・返済のリスケの可否など検討する

・いまのうちからキャッシュを貯めておく

・ほかの財布を作っておく

このような対策はとることができるのではないかなと思います。

仮に手放す判断をされるにしても切羽詰まって叩かれるのとある程度現状を理解して強気で売却交渉するのとでは結果はだいぶ変わってきます。

今後の対策(その他のエリア)

例えば、中国、四国、東北というのは九州を追うことになるので4-5年後現状の九州と同様になる可能性があります。

連系線などの要素もあり中三電も20年間無傷というわけにはいかないでしょう。

今なら選択肢も多く十分準備はできようというものです。

以上です。

あくまで仮説ではありますが何かプラスになればと思います。